2002年の超略歴

作品名、ライブ/ツアータイトルは各詳細ページへと繋がっています。


デビュー10周年にあたる2002年は、先人達が残してくれた日本のスタンダードにリスペクトをこめて制作したというDEEN初のカヴァー作品でスタート。1月にシングル「見上げてごらん夜の星を」、3月には初のカヴァーアルバム「和音 ~songs for children~」を発売。このアルバムには企画に賛同してくれた10組の素晴らしいミュージシャンが参加。アコースティック楽器演奏者を中心にヴォーカリストまでジャンルを超えたアーティストの参加でこのアルバムはさらに輝きを増し各媒体からも高い評価を得ることになった。更に「和音 ~songs for children~」を中心にしたツアーでは、これまでとは違うアコースティック編成でのライヴを披露。ツアータイトルもこれまでの"LIVE JOY"ではなく"Classics Unplugged Live"と名づけスペシャルな内容となった。ツアーファイナルとなる東京公演では、アルバムから始まったこのプロジェクトの中から原田知世、宗次郎、塩谷哲が参加し、DEENの音楽的な可能性がよりひろがった瞬間となった。ツアー終了後、この2年間に書き溜めてきた楽曲から選りすぐり、本格的にオリジナルアルバムの制作に突入。まず10月2日に2年ぶりとなるオリジナルシングル「Birthday eve ~誰よりも早い愛の歌~」を発表。各チャートでベスト10入りを果たした。更にデビュー10周年のメモリアルアルバムとなる8枚目のアルバム「pray」を11月20日にリリース。同日NHKホールから全国ツアー「DEEN LIVE JOY-Break6 ~Birthday eve~」をスタート。12月29日の渋谷公会堂でファイナルをむかえ、充実したデビュー10年目の年を締めくくった。

【アルバム『DEEN The Best キセキ』のセルフライナーノーツより】

10年目の年に出す作品は意味のあるものにしたいという思いがずっとあった。オリジナル曲をたくさん作っていたが、その部分でなんとなく気持ちが噛み合っていなかった。そんな時、池森さんはスタジオに向かう車の中で「見上げてごらん夜の星を」というタイトルがひらめいた。ディレクターに相談し賛同を得たところで、とりあえず音を作ってみた。それをスタッフに聴いてもらった。すると想像以上の反応が返ってきて、2002年最初のシングルは「見上げてごらん夜の星を」にしよう、という話になった。【無料冊子『J.A.M.』2002年5月号、p.1】

2001年にバラードベストアルバム『Ballads in Blue ~The greatest hits of DEEN~』を出したことで区切りがついた。そして次はこういう音楽が作りたい、などのイメージが出てきた。色々なミュージシャンとコラボレーションして日本のスタンダードをカバーしたいというアイデアから『和音 ~songs for children~』ができた。【『music freak magazine』2002年10月号】

10年続けられたことへの感謝の思いを届けたい、というテーマでシングル『Birthday eve ~誰よりも早い愛の歌~』とアルバム『pray』を制作した。【『WHAT's IN?』2002年12月号(ソニー・マガジンズ)、p.158】

「和音ツアー」で山根さんと田川さんによるソロコーナーが登場した。それをLIVE JOYにも取り入れた。池森さんは、結果的にオーディエンスも含めて僕ら側も「今後はアコースティックコーナー+ソロコーナーを必ず!」みたいなね、そんな手応えを感じることが出来たのは良かったと話している。【会報『DEENIM』Vol.33(2002年発行)、p.14】

きっとターニングポイントとなる年でもあるだろうということで、アルバムを2枚出し、全国ツアーも2回しようと決めていた。【会報『DEENIM』Vol.33(2002年発行)、p.11】

以下は2008年のインタビューより。デビューしてから15年間の中でのターニングポイントとして、3人とも『和音 ~songs for children~』の制作をあげた。その後の制作スタンスががらりと変わったという。池森さんは次のように話している。――
いま考えれば、カバー曲をやったのも、AORサウンドに挑戦したのも、"DEEN" というバンドのオフィシャルイメージと、自分自身の中でどうしても埋めきれない“何か”を探したかったのかなぁって思うね。
デビューから抱えていた“オフィシャルなDEEN像”に100%シンクロできたとは、未だに思えない。でも、捉え方を変えれば、まだまだ追いかける余地がある、ということ。
【「DEEN 15th Anniversary Live in 武道館 ~15年分のありがとう~」のパンフレットより】